ハム太郎の妄想劇場

ハム太郎の灰色の脳細胞が紡ぐ物語です。

ウーパールーパーの夜

2020年11月15日 

 

 

 作・行入竜二

 

 

 

千絵がちょっとした諍いから夫と別れたのは3年前のことだった。
子供は男と女で二人いた。
中学生になったばかりのたけしと小学四年生の康生やすお
夫の名は愛那あいなと言った。

 

千絵は最初の結婚で半年もしない内に実家に戻ってしまった。

 

 

最初の結婚


千絵の最初の男と付き合ってるうちに、何度かいいムードになって性行為をした感じになっていたが、じっさいに性行為が行われたのか実感はなかった。

 

それでも体を愛撫され、股を開かれ薔薇の花回りを男の舌が這いずり回ると、痺れるような刺激が膣から上がって体がビクビクと小刻みに震えた。尻がベッドから突き上がるように浮いては沈む。

 

男の舌が薔薇の花芯を割って入ってくる。

 

花芯の入り口で動き回る舌の刺激は千絵の人間としての感覚をなくし、千絵は体全体が子宮だけになったかのような喜びに打ち震えていた。

 

子宮口でうねる舌により、次から次へと押し寄せてくる官能が全神経が繋がり、やがて千絵の世界は子宮に向かって収縮を始め、千絵の感覚は子宮から届く信号を貪るかのように収斂していく。

 

千絵の花園のバラの花は男の唾液でてらてら光リ、薔薇の花芯からも愛液が滴る。千絵の花芯はぽっちゃりと充血膨張で膨らんでピンク色となって男を受け入れる準備が整っていた。花芯は開き、花園の奥の薄ピンク色の襞に愛液溜まりてらてらと光り蠢いている。

 

卑猥な図であるが男と女、誰しもの愛欲の図である。

千絵の体が小刻みに震え、皮膚は薄っすらと汗をかいて濡れている。

 

そのまま男が入ってくると思ったが、男は千絵の汗で濡れた体の腰に手を当て、腰を掴むようしてそのまま手は肌を撫ぜながら上に行き乳房に達するときの潤滑油となって、この皮膚の刺激も千絵にはアクメとなって子宮に届く。

 

乳房をつかんだ男の手は乳房を優しく揉みしだき、そして男の唇が吸い付き、やがて乳首を甘噛するように噛みずらすと千絵は「あっ」と声を放った。

 

千絵は噴水のごとくにお小水を拭き上げてしまっていた。

 

千絵はその男と籍を入れた。

家族のものはもう少し考えろと言った。

父親だけがいつでも帰ってきて構わないと言ってくれた。

 

半年もしないうちに千絵は実家に帰った。

男との結婚は千絵にとって失敗だった。

 

千絵に性の喜びを与えてくれかけた男は、結婚してから千絵の体にはふれてこなかった。寝る時は二人一緒に寝て男が抱きつき乳首をもんだり、千絵の花園に触れて指を入れたりすることもあった。

 

結婚して千絵の性に対する期待はより膨らんでいたが、夫である男は千絵の中に入ってこようとはしないのだ。軽く体に触れて期待をさせては寝てしまう。どうやら男の一物は男としての機能をしないみたいだ。

 

千絵の体は不完全燃焼に膨らんで、外見的にはとても色っぽく見えたことだろう。そしてそれは夫婦仲が良い証拠だからと思われていたのかもしれない。

 

半年が経って千絵は実家に帰っていた。

 

男が結婚したのは社会的対面のために夫婦になりたかっただけのようであった。

離婚すると言ったときに少しゴネられたが、男は自分では女の欲望を満たせないことが分かっていた。こうなる可能性を感じていたようで、もともと結婚していたという実績だけで良かったみたいだった。

 

離婚はすんなりと成立した。

 

 

二度目の結婚

康生との結婚で性生活に不満はなかった。

康生との間には子供も二人もうけた。

二人目の愛那が生まれてから千絵は夫との交渉を避けるようになった。

 

付き合いだしてと結婚してからは相応に激しくまぐわったが、一人目の岳が生まれてから、夫も淡白なのか何度か夫の誘いを「疲れているの」「眠いから」と無意識的に避けたことによって夫からの求めもいつしかなくなった。

 

愛那は岳が生まれて三年目にして生まれた。

それを限りに康生は一切千絵を求めてこなくなった。

寝室も別になった。

 

康生との性交渉で千絵の薔薇の花芯は初めての男にされたような刺激こそ受けることがなかったが、結婚前後はお互いの若さで時間があればお互い貪るように交わりあった。

 

共に果てるまで相手を犯し続けた。

性交渉に男だからも女だからもない。

お互いにただ相手の肉を喰らい飲みこむのだ。

 

性交によって内なる湧き上がるエネルギーをぶつけて戦わせるのだ。

常習性のある薬物のような性衝動である。

常習性のある薬物のような性衝動もマンネリ化し、ある時を境にお互いのその性衝動が消えたかのようになる。

 

子供が育つにつれて子供が気になると性欲も薄れ膣も濡れなくなる。

性交渉で痛みさえ伴った。

そんなことから康生は女の不機嫌を取り直して性交渉に持っていくのも、だんだんにめんどうくさくなると、康生はいつの間にか家族という名の同居人となってしまっていた。

 

そして千絵の家族という名の同居人の中に、一人の邪魔者が出来上がる。

その邪魔者は夫という名の存在である。

 

千絵は岳や愛那は自分が生んだ実感で親子家族と思うのだが、康生はよく考えたらただの他人だ。なぜただの他人の面倒を見なければいけないのかとすら今更に千絵は思う。

 

あれほどお互いの肉を貪ったというのに、今では嫌悪感さえ康生に覚えてしまう自分がいて、千絵自信がそのことで驚いている。

 

 

二度目の離婚

 

そんな時知り合いのスナックのママが病気になり、千絵に変わりに店のままになってくれと言われて、新しい世界を見てみたい気持ちもあって引き受けた。

 

スナックの仕事を初めて半年ほどして、家庭のことがおろそかになりかけたころ夫とのいさかいが絶えなくなった。

 

当然揉めにもめて、双方の親も出てきて親権を争い最後は家庭裁判所で離婚調停までしたのであるが、スナック営業で夜不在であるということから二人の子供の親権は康生がわに持って行かれた。

 

そう決まれば千絵は子供の親権が康生に行くことに頓着とんちゃくしなかった。

 

スナックにもチエママとしての客もついてきて少し順調に経営できていた。それよりも何より、自分の住んでいる世界と違う世界に惹かれた。

 

早く言えば家族という名の康生の世話と子供二人の世話から開放され、スナックに集中できるようになることが返って良いことだと思った。

 

子供と離れ離れになるけど、子供が18歳になれば子供の意志で親を選択することもできるようになる。なんだかんだと言っても母親は強いからと思っていた。

 

いつでも会えると思っていた。

 

三年が過ぎた。

 

いつしかスナックのママが本業となってしまっていた。

病後が思わしくないというママから店を譲り受けた。

 

そして2020年新型コロナウィルスだ。

まる三ヶ月間店を閉めた。

 

東京都から給付金が200万円支給されたのはありがたかった。

 

 

ウーパールーパーの夜

お客と接していてにぎやかにスナックで時を過ごしていた。

客と言えばほとんどが高齢者だった。

若い客も来ないではないが非常に少なかった。

 

そんな時にペットショップで小さ妖精を見つけた。

ウーパールーパーという。

 

メキシコのサンショウウオの仲間で幼体のまま生育するのだ。

まさに妖精そのものだった。

白っぽいピンクの皮膚がに血管が透けて見えて美しかった。

 

最初は10センチほどのサイズだったけど死ぬこともなく成長してくれて大きくなったので、ネットで水槽や濾過槽に照明を注文して、ウーパールーパーのために飼育槽を広くしてやった。

 

水槽を広くするとさらにウーパールーパーは大きくなって、ピンク色の肌もより艶やかになったみたいだ。

 

9月に入って感染防止対策をし営業時間を短縮して店を再開した。

週5日だけ店を開けるようにした。

 

以前営業していたときのように客が戻ってきてくれるだろうと思ったけど、客がほとんど来なくなった。

 

1ヶ月2ヶ月と時は流れても客は一日一人日二人だ。

以前のようにやや年配の方たちはまったく来なくなってしまった。

千絵は客が戻らないのは新型コロナウィルスが怖いからだろうと思っていた。

 

しかしながら年配の客たちは自主自粛ですっかり出歩くことを止めてしまったみたいだった。年齢が上がるほど動かなくなればより動かなくなる。

 

つまり団塊の世代前後の客が新型コロナウィルスの影響で、ごっそりと夜の街から撤退したままの状態になってしまっている。

 

町のスナックなんて中年以降の客と高齢者の比率で言えば、3対7ぐらいの割合で高齢者のほうが多い感じだったのに、その高齢者たちが夜の街から引き上げてしまった。これは気持ち共にじっさいに体も夜遊び出来にくくなってしまっているのだ。

 

そんな夜の街は以前とくらべ暇になってしまった。

比較的若者向けの飲み屋であればそれでも客が来ている。

と言っても客は少ない。

 

千絵の店に来る客からも高齢者の姿が消えた。

 

千絵はカウンターで客待ちをしている間に、カウンターで寝てしまうこともある。寝ていても客が来ないでそのまま終わる日も多くはないがある。

 

客が入ってきてびっくりして目を覚ますなんてことも度々あった。

そのうち客が、今日はねてねえななんて言いながら入ってくることもあった。

 

これではいけないと千絵は思うのだが最近は寝付きが良くなくて、眠れない日々もある。眠れない日々もあるけど店のカウンターでは時々涎を垂らして寝ていることもあった。

 

その夜、千絵は客を送り出し、客が飲ませてくれたアルコールで少し寄ってしまったようでソファに腰を下ろしたらそのまま寝入ってしまった。家では鍵をかけずに寝るなんてことはしないのに、店だと鍵もかけないで眠ることが度々たびたびあった。

 

千絵は程よい温度の空調で後頭部が痺れるような睡魔に襲われ落ちていった。

この睡魔の誘惑に一人では逆らうすべはないが、店を閉めてなんとか家に帰ってベッドに横になった。

 

青白い水槽の明かりを受けて、ウーパールーパーが空気を吸いに長い尾を揺らして泳いでいく。ベッドに横になった千絵は幻想的だなと思いつつ寝入ってしまった。

 

夢の中で千絵の体を求める手が千絵の体を弄る。

ひやりと少し冷たい手が千絵の火照った体に触れると千絵の体はピクとする。

ヒヤリとした冷たい手は嫌いじゃない。

 

ヒヤリとした冷たい手が千絵の体の温度で温まっていく感じも心地が良い。千絵の体温で温まり少し熱気をおびたその手が千絵の花園にまで伸びてくる。

 

千絵の花園の花芯を広げ指が入ってくる。

熱い温かい指が千絵の中で動く。

思わず千絵は腰を動かし指を飲み込んでいく。

 

男の指が二本入ってきた。

膣の中がいっぱいになり膣の襞が喜びに震え、その喜びを電気信号に変えて子宮をふ震わせ歓喜に脳髄が震える。

 

千絵の体が男を包む、

いない相手が実体化したように感じさせるリアルな夢。

 

そんな夢は最初の結婚で何度か経験がある。

それは決まって夫が実家に帰っているときのことだった。

 

実体化したようなリアルな夢でも、男を迎え入れようと千絵の花芯がぬめぬめと濡れて花開くといつの間にか実態は消えてしまい、なんともリアルな夢だったのかと気が付き心冷える。

 

同じ夢だわ。

千絵は夢を楽しんだ。

 

思うに任せ花芯を開いた。

男が入ってくる。

 

ああ、こんな素敵な夢ないわ。

千絵は男を受け入れる。

 

男のものが膣内ではちきれんばかりに膨れ上がる。

千絵の膣は愛液をだして男の一物を包む。

 

男の腰が突き立てて前後に激しく動かす。

千絵も腰を突き立てて男を迎え入れる。

 

お互いが腰を突きたて恥骨がぶつかる。

 

男が入れたまま激しく腰前後左右に腰をもどかしく動かし、さらに奥に奥にと入り込んでくる。男はこのまま子宮内に入り込んで千絵の子供にでもなろうというのだろうか。

 

男の一物を逃すまいと膣の襞が絡みつく。

男はもどかしげに何かを吐き出したいがごとくに、腰をスライディングするように回しながらぐいぐいと押し込んでくる。

 

子宮のおちょぼ口が亀頭と口づけをする。

亀頭は子宮のおちょぼ口を開きさらに中に入ろうとするかのごとくに突き上げてくる。千絵の子宮の中だけに収縮して喜びに打ち震え子宮の中まで男を迎え入れたかった。

 

変だなと思った時に知恵は思い切りお小水を拭き上げてしまった。

千絵は寝小便をしてしまった。

 

誰もいない一人暮らしの千絵。

ウーパールーパーが千絵を見つめていた。

ウーパールーパーと千絵は目があった。

 

現の中、店のドアが少し音を立てて開いた感じがした。

千絵が無意識にドアの方に目をやる。脱色した髪が伸びて少し黒い色が混じりまだら茶髪風になった、髪に少しくせ毛のある男がドアから姿を消したような気がした。

 

翌朝ベッドで目覚めた千絵は裸のまま起き上がり、窓辺のカーテンを少し開けて外を見た。良い天気のようである。

 

 

 

日曜日

 

今日の日曜日は康生に許可をもらい、子供二人とイタリアンレストランにランチをしに行く約束になっている。

 

千絵と康生は離婚してから会うこともなかったが、三年の時が流れコンビニで偶然に康生と出会った。

 

三年の時は、二人の諍いも角が取れて柔らかく変化していた。

千絵と康生は山年の時を経て、二人で喫茶店でお茶をする余裕が生まれていた。

千絵は子供にも時々併せて欲しいと素直にお願いした。

 

何事もおれは男で主人だというような横柄的な面がある康生であったが、お願いすれば子供とのデートも許してくれた。

 

康生とはよりを戻すつもりはまったくなかったが、それでも康生に誘われてドライブに行った事もあった。それは康生の言う簡単な要求を呑むと子供に会わせてとお願いするのが楽だったからだ。

 

三年の時が経ってみても千絵は康生に男を感じる思いはなかった。

それは康生も同様だろうと思う。

千絵にたいして康生は千絵と家族だったときの雰囲気を、思い出し味わいたいのだろうと思う。

 

三年の時は千絵と康生の蟠りの尖った部分を柔らかくしたが、それでも元のような家族そのものに戻ろうという気持ちは生じなかったようである。

お互い少し家族だった時を追慕するための真似事のようなドライブだった。

 

千絵はほのかに青白い光を放つ別世界の住人に餌を与えている。

青白い世界の住人のウーパールーパーが近寄ってきて餌を食べている。

餌を咥え顔を上げるとウーパールーパーと千絵と目が合ったような気がした。

 

そうか、店のソファー汚しちゃったかなと千絵は恥ずかしそうな顔をした。

 

千絵の体はなんとなく軽い充足感が生まれていた。

 

終わり

 

※行入竜二はペンネームです。